【霊夢の部屋でのクリスマス会】

冬の冷たい風が窓を軽く揺らし、外は雪がちらつき始めていた。霊夢の部屋には、クリスマスツリーが控えめに飾られている。明かりが暖かく、部屋全体がほのぼのとした雰囲気に包まれていた。

「はぁ…クリスマスかぁ…」
霊夢はテーブルに肘をつき、どこか寂しげに海鮮丼を見つめていた。盛り付けられた鮮やかなマグロ、鯛、かんぱち、しまあじ、そして豪華なウニが輝いているが、霊夢の気持ちは今ひとつ晴れない。


「なぁ、霊夢。今年も結局、彼氏なしのクリスマスだな。」
対面に座っている魔理沙が、箸を持ちながら呟く。彼女も同じく、気だるい表情だ。

「ほんとだよね…去年もこんな感じだったし。」
霊夢は深いため息をついた。二人は去年も同じように、この部屋でクリスマスを過ごしていた。恋人がいないという現実に直面しつつも、友達同士で一緒に過ごすクリスマスはそれなりに楽しかった。しかし、今年は少しだけその寂しさが増しているようだった。

「でもさ、まぁこうして一緒に過ごせるだけでも、いいじゃないか?」
「それに、この海鮮丼もなかなか美味いぞ!」
魔理沙は笑顔を見せ、箸でウニを口に運んだ。

「確かにね…こんな美味しい海鮮丼、贅沢だよね。」
霊夢も笑顔を見せ、箸を取りマグロを一口食べた。

「でもさ…やっぱり恋人と一緒に過ごすクリスマスって、憧れるじゃない?ロマンチックなディナーとか、プレゼント交換とかさ。」

「わかる、わかる。特にこの季節になると、街中がカップルだらけでさ、どこを見ても羨ましくなるよな。」
「でも、焦っても仕方ないだろ。いつかきっと、いい相手が現れるさ。」
魔理沙も頷きながら、次は鯛に手を伸ばす。

「そうだよね…焦りすぎないほうがいいよね。」
霊夢はしばらく考え込んでいたが、ふっと顔を上げた。

「でもね、魔理沙。今年こそは、もう一歩踏み出したいって思ってるんだ。」

「おっ、霊夢が本気を出すってわけか?」
魔理沙は驚いたような顔をする。

「うん、来年こそは彼氏を作りたい。ずっと待っているだけじゃダメだって気づいたんだ。私ももっと積極的にならなきゃ。」
霊夢の目には決意が宿っていた。クリスマスの寂しさを乗り越えて、次のステップへ進もうという意気込みが感じられる。

「それでこそ霊夢だ!応援してるぞ。私も頑張るかなぁ、ちょっとは。」
「でもさ、まずは今日のクリスマスを楽しもうぜ?恋人がいないからって、落ち込む必要はないだろ。こうして美味しいもの食べて、楽しく過ごせば、それで十分じゃないか?」

「そうだね、今日は楽しまなきゃね。」
霊夢も笑顔を取り戻し、再び海鮮丼に集中する。二人で食べる豪華な海鮮丼は、どこか特別な味がした。マグロの濃厚な旨味や、鯛のさっぱりとした風味、ウニのクリーミーな口当たりが、心を少しずつ温かくしてくれる。
しばらくして、食事が一段落すると、デザートタイムがやってきた。

「さて、次はデザート!ケーキのかわりに、『梅の花』で買ってきた、もっちり嶺岡豆腐!」





霊夢は冷蔵庫から取り出し、小さな器に盛り付けて魔理沙に手渡した。

「おお!噂には聞いてたけど、食べるのは初めてだな。」
魔理沙は興味津々でスプーンを手に取り、豆腐を一口食べた。

「うん、これはすごい…まろやかで、もちもちしてて、甘さも控えめで最高だな!」

「でしょ?これ、本当に美味しいんだよね。甘すぎなくて、口の中でとろける感じがたまらないの。」
霊夢も一口食べて、幸せそうに微笑んだ。デザートを楽しみながら、二人はしばらく会話を続けた。

「そういえば、クリスマスってさ、恋人がいなくてもこうして友達と楽しく過ごせるなら、それも悪くないよな。」

「うん、確かにそうだね。大切なのは、一緒に過ごす相手がいることだもんね。」

「でも、来年こそは彼氏を作るって決めたんだろ?じゃあ、来年は恋人と一緒にクリスマス過ごせるといいな。」
魔理沙は笑いながら、霊夢の方を見た。

「そうね、でももし彼氏ができなかったら、また一緒にクリスマスしようね。別にそれでも楽しいし。」
霊夢は魔理沙に微笑みかけた。

「もちろんさ!どんな状況でも、お互い慰め合える友達がいれば、それで十分だ。」
魔理沙も笑顔で返し、二人の間に温かな空気が流れた。
部屋の窓の外には、静かに雪が積もり始めていた。クリスマスの夜は、静かで温かく、そして楽しいものとなった。
恋人はいなくても、二人で過ごす時間は何よりも特別だった。

「来年もまた、楽しいクリスマスになるといいな。」
霊夢がふと呟いた。

「その時は、二人とも彼氏がいるかもな。」

「そうだといいわね。」
霊夢は静かに笑い、最後の一口の嶺岡豆腐を楽しんだ。
二人のクリスマスは、恋人はいなくても最高に楽しい時間だった。
そして静かに夜が更けていくのであった。


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